手塚治虫のブッダ感想と評価 宗教本なのか?

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僕の大好きな手塚治虫作品でも1位か2位を争う作品が【ブッダ】

過去の手塚治虫作品感想は以下

さて、今回紹介というか読書感想を書きたいのは、1972年から1983年まで連載されていた作品です。(ちなみに僕の生年月日より古い)

ブッダっと聞くと勿論連想されるのが仏教。というか宗教になる。

漫画と宗教が相容れる存在なのかどうかとか、読む前には様々な”先入観”にとらわれてしまいそうな作品だけど、この漫画によって自分の価値観(宗教的、人間的)を侵されるような心配はいらないとだけ断言出来ます。

ちなみにこの記事を書いているのは2017年の1月ですが、読んだのはもっと昔ですw

で、僕が読んだあとに最初に思ったことは、いわゆる”司馬史観”の漫画バージョンです。

司馬史観とは、かの司馬遼太郎先生が作品で独自に解釈した歴史ロマンを付け加えたりした歴史観のこと。

ブッダをテーマに選んだ理由は僕にはわからないけれど、いうなれば手塚史観が見られる作品だと思う。

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ブッダの生涯を歴史的観点から描いた作品

釈迦族の王子であるゴータマシッダールタを追う

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日本人であればよく「お釈迦様」という言葉を聞いたことがあると思うけど、これは元々インドの部族であった釈迦族という部族が語源となっているらしい(もちろん発祥がインドなのでこれが正しいかどうかまでは知らない)

その部族の王子であるゴータマシッダールタこそが、後の仏教の開祖となるブッダの生きた姿だという話です。

2500年以上昔のインドの国家間にはカースト制度と呼ばれる身分制度があり、ゴータマシッダールタ(以下ブッダ)はその中で武士の身分であった。カースト制度はいわば厳しい身分差別であり、よくあるパターンです。蛙の子は蛙。その生存環境は絶対に変わらないものという考えが普通の世界。

そんな中、ブッダは常日頃から「人は何故死んでしまうのか?」「どうして同じ人間の間に身分という概念が存在するのか?」という疑問を持っていた。そんな疑問を抱えたブッダは結婚を機会に出家することを決めて修行を始めます。

ちなみに少し突っ込んで書くとブッダは「死」という概念を異様に嫌っていたし、怖がっていた描写があります。まさに人間的なブッダだと感じますし、異様なほどの拒否感ともとれますね。(一応ブッダは幼いころから身体が弱かったということです)

これまでの修行を否定するブッダ

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ブッダは出家して僧の道を進むことになるのですが、修行先でいつも苦しい思いばかりを重ねます。

宗教観というものはわからないけれど、当時のサモンやバラモンと呼ばれた教団の主な修行は自分自身を苦しめることにあったからです。

最近、というか少し前には何年も修行で手を上げ続けたインドの人が紹介されてましたね。ちなみに彼はヒンデュー教徒であってシヴァ神を信仰しているようです。

詳しく知りたい方はこちらをどうぞ

さて、話を戻すとブッダはこうした修行は苦しみしか産まないのにという疑問を常々考えて、ついには修行から逃げ出してしまうのです。しかし、有名な悪魔との戦い=菩薩樹の下での悟りを開いたことによって自分の中の答えを見つけ出すというもの。

そしてその考えを広める為に、弟子を取りながらインド各地を旅したり、故国である釈迦族の国に帰ったりします。このあたりにはかなりストーリー性を持たせていて漫画として充分に面白い。というかかなり冒険譚のような感じになるので、ブッダという感覚が消えるほどw

ブッダでは死の間際まで描かれる

初代のコミックスでは14巻の最後、ブッダは像などにもなっている横たわった姿のまま、最後に弟子に囲まれてその生涯を閉じます。

ゴータマシッダールタという人間が如何にしてブッダという人物になったのか?

仏教に興味がなくても少し歴史モノが少しでも好きという人であれば結構楽しく読める作品だと思いますね。

意外と古い漫画ですが、文庫版だと薄くて状態も良いのでオススメです。

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