インド 錆びないデリーの鉄柱こと「アショカ・ピラー」が錆びても不思議な理由【オーパーツ】

オカルト研究

インド・デリーの郊外の観光名所として知名度の高い「アショカ・ピラー」と呼ばれる通称デリーの鉄柱。

世界遺産にも登録されたクトゥプ・ミナールは、13世紀頃に奴隷王朝の王と呼ばれるアイバクによって建立されたと言われている。

周囲には13世紀頃や12世紀頃のイスラム寺院が立ち並んでいる。

このインド最古と言われる寺院である「クワットゥル・イスラーム・モスク寺院」の境内に観光客が一目見ようと訪れるのがこのデリーの鉄柱である。

画像引用元: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%81%AE%E9%89%84%E6%9F%B1

デリーの鉄柱にはサンスクリット語が刻まれており、それによると建立されたのはなんと寺院よりもはるか昔、西暦で言えば415年頃だと言われている。

西暦415年といえば、日本では「允恭天皇」という天皇が在位してた期間であり、学校では古墳時代として習うところである。

日本史でこの辺りの時代で有名な蘇我氏や聖徳太子などが登場するのが500年代の後半と考えれば、いかにこのデリーの鉄柱が古く、いかに優れた製鉄技術で建立されたのかということは想像に難くない。

デリーの鉄柱ことアショカ・ピラーが錆びないは嘘?

このデリーの鉄柱は何故こんなにも人々に知られて信仰の対象になっているのか?

それはこの鉄柱が「錆びない鉄柱」だとされていたことにある。とは言っても、約1700年ほど前に建立されたいわば古代の遺産であり、「鉄が錆びない」ということは科学的な見地からするとあり得ない。

そこで、このデリーの鉄柱は”現代では失われた技術”によって作られたオーパーツの一種ではないのか?

という説が浮上した。

このデリーの鉄柱の秘密を解明すべく、鉄の純度の調査をしたところ「99.72%」という高純度の結果が出たという。

日本でも「日本刀」などは純度の高い鉄で錬成されていることが多いが、500年前ほど昔の戦国時代から残されているものであっても手入れを怠れば錆びるという。ましてや1000年以上も昔の鉄であれば、ほとんど原型を失っているということも多々ある。

しかしデリーの鉄柱は表層しか錆びておらず、前述したサンスクリット語の碑文も読める程度に維持されているというのだ。

また、2006年には科学雑誌のネイチャーにデリーの鉄柱はダマスカス鋼で作られたものではないか?という論文も掲載されている。

確かにネット上での資料などを見るとあまり腐食が進んでいるようには見えないが、実はwikiの写真にもある通り現在では直接手が触れられないように周囲を鉄柵で囲んでいるという。

しかし近年、デリーの鉄柱の錆びない神話が崩壊しかけている。

地下の部分などが錆び始めているという事実が近年発覚したからだ。

真実はどこにあるのだろうか。

純度99.72%の鉄は50年ほどで錆びてしまう

まず注目すべきポイントは鉄柱の純度が「99.72%」であるということ。

とある計算によると、高純度である鉄でもやはり耐久年数というのはそこまで超長期になるものではなく、デリーの鉄柱の場合であれば50年ほどで錆びてもおかしくないという。

つまり、デリーの鉄柱の地上部分が表層が薄く錆びているだけ(しかも1700年近く外で)というのは通常では考えられないことである。

製造方法に錆びない原因があった?リン酸コーティング説

インドで産出される鉄鉱石にはリン(P)が比較的多く含まれている。
また、インドでは鉄を精製する際にカッシア・アウリキュラータというリンを含む植物を加えていた記録があるという。

引用元: http://www.never-world.com/ooprats/a-sokapillar.html

どうやら、インドの製鉄はその過程でリンを多分に含む製造をおこなっていたようである。

しかし個人的にはこの説には疑問が残る。もし、一般的にこういった錆びにくい鉄が生産されていたのであれば他にも同年代の錆びない(もしくはほとんど錆びない)物が残っていてもおかしくはないだろうか?

さらに言えば、やはり建立された年代にそこまでの製鉄技術があったのかどうかは不明である。

錆びない訳ではないが、やはり未だに解明されない謎の鉄柱

実際に表面は内部にまで錆びが進んでおらず、地下部分は腐食があるとはいえど、この1700年という非常に長い期間を耐え抜いているデリーの鉄柱にはまだまだ解明されていない謎がありそうだ。

また、ネイチャーに掲載されたダマスカス鋼であっても錆びないという訳ではない。

しかもダマスカス鋼の鋳造技術は現代では再現不可能だと言われている過去の技術である。

やはり、結論から見ると一部は錆びているものの「謎に包まれた鉄柱」であることは間違いない。

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