イノサンの第一部を読んだので感想とか色々と書いてみようと思います。
『イノサン』は、坂本眞一による日本の漫画作品。「イノサン」とはフランス語のInnocentで、英語の「イノセント」に相当する。『週刊ヤングジャンプ』(集英社)2013年9号より連載2015年20号まで連載された
という訳で、2013年頃だとヤンジャンを買っていたので実は連載初期だけは週間で読んでました。
しかし、自宅に週刊誌が山盛りになるので買うの辞めちゃったんですよね(´・ω・`)
久々にツ○ヤ行ったら第一部完結してたので一気に読んでしまいましたw
フランス革命の前後に生きた処刑人シャルル=アンリ・サンソン
この漫画の主人公は一応シャルル=アンリ・サンソンなんですが、一家自体はシャルルで4代目なんですね。
家系的に処刑を続けていたのは6代目のアンリ=クレマン・サンソンまでのようですが、続編のルージュでもそこまでは描かれないかもしれません。
フランス革命といえば1787年から1799年が一般的とされてますが、第一部ではまだこの革命期には入ってません。
シャルルが生きていたのは1739年2月15日 – 1806年7月4日とされているので、実際の革命期にはシャルルは大体50歳くらいだったようです。
ルージュ1巻とか2巻だとまだ若い感じで描かれてるけどね。
第一部では幼少期から革命直前くらいまでを、駆け抜けるように描いている印象が強いです。
とにかく絵が上手いし描き込み方が尋常じゃない。
ちょいグロいシーンもあります(処刑人だから…
原作は安達正勝著作の『死刑執行人サンソン』。
原作というよりは出典という扱いか?
まあいずれにせよこの漫画面白いです。読んで損はしない!!(歴史もの好きってのもあるけど
イノサンの名シーン
個人的に描いててくれよ~~~って思いながらやっぱり描いててくれた場面は
マリー・アントワネットとルイ15世の寵姫デュ・バリー夫人との対面シーン!
*ベルばらのバリーさん*
実はベルばらでも有名なシーンですけど、マリー・アントワネットはルイ16世の嫁で、元々政略結婚なんですよね。片やデュ・バリーは娼婦上がりなんですよ。
つまりは下民と貴族の対立構造。
王族の娘が嫁に行ったら、義理の母の1人が元娼婦だった…ていうのが話しの流れなんですけどこの時代の1つの象徴というか、やっぱりちょっと混迷期を表してる感じがして好きなんです。
日本で言えば坂本龍馬(脱藩浪士)が松平春嶽(大大名)に謁見するとか、そんなレベルの身分の違い。
イノサンの方が時代は100年くらい古いですけど、基本この時代のフランスって王権
そんな所に娼婦の寵姫が存在してたっていうのも凄い。
あとは個人的にマリー(シャルルの兄妹の方)のキャラは良かった
流石にあんな髪型はしてなかったと思いますけどw
シャルル=アンリ・サンソンは死刑廃止論者だった
サンソン家が数奇と言われるより、シャルル=アンリ・サンソン本人が矛盾を抱えるっていうのもまた時代ですよね。
漫画でも描かれていますけど、シャルル=アンリ・サンソン自身は死刑制度には反対だったらしいし、生きている間に何度も死刑撤廃の上奏をしているという…
でも結局3000人以上という常識では測りきれない数の人たちを死刑に処した人物として名前を遺してしまってるんですよね。
サンソン家でシャルルが大きく取り上げられるのはやはりフランス革命でマリー・アントワネットやルイ16世を含む王族を処した事が要因だとは思いますけど、死刑撤廃を求めながら処刑人として生きて死んでいったところが数奇なんでしょうね。
断頭台にも関わったシャルル=アンリ・サンソン
第一部では少しだけ触れられるんですけど断頭台(いわゆるギロチン)を考案したアントワーヌ・ルイという人も一瞬登場するんですよね。
ギロチンが一般化したのは”革命後”みたいですけど、その辺りはイノサンルージュでまた描かれるのかもしれません。
シャルル=アンリ・サンソンの真実はイノサンルージュで続きを読めると思いますけど、ちょっと悩ましい物語ですね。
これを題材に選んだセンスにそもそも脱帽です。青年誌でもギリギリな気がするw
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